仕事について

飼育員になりそこねた臨時飼育員から飼育員を目指す人へのアドバイス

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三日月(@trickwolves)です。

私は現在小さな動物園の飼育員ですが、臨時職員であり期間限定の飼育員です。そして数か月間内にこの仕事を辞すつもりです。

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念願で夢だった仕事ですが、肉体的・精神的・金銭的な理由から本当の仕事にすることは出来ませんでした。なのでせめて本気で動物園の飼育員を目指す人へのアドバイスを残しておきます。




動物園の飼育員を目指す人は最低限これらをやっておくべし

  1. 動物系の専門学校もしくは大学へ行く
  2. 在学中に動物園に客として行く
  3. 在学中に可能な限り動物園実習に行く
  4. 動物園ボランティアとして活動する
  5. なるべく資格を取っておく
  6. 体力と筋力をつけておく
  7. なるべく人脈(知り合いや顔見知り)を作っておく
  8. アルバイトもしくは臨時職員として数年働く覚悟をする

動物園関係で働きたい人は非常に多いのですが、ご存知の通り動物園の数はさして多くありません。

今後私設の動物関連施設(移動動物園や動物カフェなど)は増えていく可能性があると思いますが、公立のものはかかる費用や必要な土地、需要などを考えるとそうそう新しい物が出来るとは考えづらいです。

つまり少ない席(採用)を多くの人で争い、勝ち残ったものだけがその席を得ることが出来る、ということになります。

そんな血で血を洗う争いを勝ち抜くため、できることを1つずつ挙げていきます。

動物系の専門学校もしくは大学へ行く

まずは最初のステップとして、動物関連の学校へ行くこと。

高卒でも受験資格がある園もありますが、募集要項が動物関連の学校卒でかつ大卒であること(専門学校も不可)という園も少なからず存在しています。

動物関連は専門学校から東京大学の獣医学部まで、多くの学校・学部があります。専門学校に行く方もどこかの大学へ行く方も、獣医学部卒の方と同じ土俵で戦うことになることを頭に入れておいてください。学力的にも、それだけの努力が必要です。

獣医学部がある大学は全国に16校、この偏差値を叩き出す方々と同じ舞台を目指すことを忘れてはいけません。獣医大学 偏差値ランキング一覧 | 獣医 大学

在学中に動物園に客として行く

時間があるうちに、なるべく多くの園に行ってください。

そして写真を撮ったりレポートを書いたりして、それぞれの園の良いところや悪いところ、展示方法を自分なりに観察・考察します。

ただ観察するだけではなく「自分なら良いところをさらに生かしていくためにはどうするか」「悪いところを改善するためにはどうするか」など、常に考える努力を怠らないことが大切です。

自分なりの動物園や動物飼育というものに対する、理想像を持つようにして下さい。

在学中に可能な限り動物園実習に行く

時間と権利があるうちに、なるべく多くの園で実習をさせて貰ってください。

学生を実習生として受け入れてくれる園は多くあります。個人で依頼して受けてくれる園もありますが、多くは学校を経由して依頼することになると思います。時間とお金が許す限り多くの園に実習しに行き、技術を学んで下さい。

そして少しでも多くの人と関わり多くを学び、実習が終わった後も定期的に遊びに行くなどして可能な限りその縁を絶やさないようにして下さい。

動物園ボランティアとして活動する

大きな動物園を中心に、土日祝や夏休みなどお客さんが多い時に動物園ボランティアを募っている動物園があります。そういったところに積極的に応募してそこでも可能な限り人脈を作って下さい。

ボランティアをしながら動物について学び、プラスアルファで接客を身につけておくと良いでしょう。

なるべく資格を取っておく

動物の飼育に直接役立つ資格は多くありませんが、下記の資格をあらかじめ持っておくと非常に役立つはずです。

まずはこれ、普通自動車免許を持っていないと本気で話になりません。また動物関係の現場は未だにマニュアル車を使っているところが多く、AT限定の免許では役に立たないことが多いのが現状です
正直動物関連の資格は獣医師を除き公的なものがほとんどなく、持っていても飼育員にとってはそれほど役に立ちません。(しいていえば愛玩動物飼養管理士なども持っていても損はありませんが…程度。)

それであれば電動工具類が扱える方がよほど実務の役に立ちますし、動物園の飼育員になりたい・やる気があることがアピール出来るはずです。水に住む生き物(アザラシやらホッキョクグマやらペンギンやら)を扱う可能性もありますので、潜水士も持っていると役に立つかもしれません。

体力と筋力をつけておく

動物園の飼育員は文字通り、体力勝負です。

夏は照り付ける太陽の元での仕事になるので熱中症になりかけて死にそうになりますし、冬は氷点下でも雪でも仕事なので手はひび割れてガサガサになります。

エサの袋や牧草ブロックは1個で20~30Kgありますし、1つで40kgのものもあります。大型動物の担当になればそれだけでも体力を使いますし、対動物以外の作業でも相当な体力が必要です。

そんな環境で日々動物の様子を観察し、掃除し、色々な物を直したり作ったりし、園内の整備まで行います。

過酷な環境下でも負けないだけの、体力と筋力をつけておくことをおすすめします。

なるべく人脈(知り合いや顔見知り)を作っておく

上でも書きましたがなるべく多くの動物関連施設やイベントに行き、可能な限り人脈を作っておくことを強くすすめます。

動物園関連は体質的に古いところが多く、縁故採用(いわゆるコネ)の影がちらつく世界です。実習やアルバイトでやる気があり、良い成績をおさめた人は正規職員に昇格できる可能性が普通の人よりも少し高くなります。

具体的な名前は書けませんが、とある園ではその園で実習やアルバイトなどの経験がない人は最初の試験で落とす…という話も聞きます。私が受けたとある動物園では、エントリーシートに「当園もしくは関連園での実習経験の有無とその期間」を書く欄がありました。

学生でも名刺を作っておいて配り歩くのも手です。ちょっと厚かましいくらいがちょうど良いのかもしれません。

アルバイトもしくは臨時職員として数年働く覚悟をする

恐らくどの園でも、新卒で正規職員になるのは非常に難しいと思います。

公務員の場合は公務員試験を受けて、受かれば正規職員になるのでこの限りではありません。しかし指定管理者制度の園では、1発で正規職員になるというのはかなり困難なものと思われます。

そういった園に勤めたいと思うならば学校を卒業した後もアルバイトか臨時職員としてそちらの園に勤務し、何年かかっても正規職員の試験を受け続ける覚悟をしておいた方が良いです。

ただし臨時職員やアルバイトは非常に給料が安く、実家暮らしならばまだしも一人暮らしではかなりカツカツの生活になる可能性が非常に高いです。副業でアルバイトをしたいと思うくらいのお給料かと思いますが、正直飼育員の仕事で相当な体力を持って行かれるので副業をすることも難しいです。

食費を始めとする生活費を削らざるを得ないことを、心の片隅に置いておいて下さい。
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おわりに・飼育員になるには並々ならぬ努力と熱量が必要

ざっくりとまとめましたが、動物園の飼育員になるにはとてつもない努力と並々ならない熱が必要です。

24時間常に動物のことを考えることが出来るくらいの熱が愛があり、多少の理不尽にも負けない強い気持ちがあり、常に勉強し続ける事を厭わない高い志を持った方にはぜひ頑張って飼育員になって頂きたいです。

正直どれだけなりたい!と切望しても努力しても、正規職員の飼育員になるのは非常に難しい、まさにいばらの道です。その反面臨時職員やアルバイトであれば、そして47都道府県どこにでも行く気概さえあれば、飼育員になること自体は難しくはありません。

何としても飼育員になりたい人は「絶対に飼育員になるんだ」という強い思いを常に心の真ん中に突き刺して、日々を頑張って下さい。気持ちが折れないうちはきっとまだ大丈夫、頑張って戦って戦って戦い抜いて下さい。

大学卒業後数年色々な動物園の試験を受けては落ち、一度夢を諦めたもののアラサーになってから臨時職員としての飼育員になれたけれど、現実を見て夢の世界から足を洗う先輩からの心からのアドバイスと激励の気持ちを込めて。

この記事が飼育員を目指す誰かの役に立てますように心から願っています。

何か質問などあればコメント、ツイッターから気軽にお問い合わせください。可能な範囲でお答えさせて頂きます。

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三日月
静岡県在住のフリーライター。サプリメントや動物、オタク業界に強いアラサー♀。お仕事の依頼や問い合わせはお問い合わせフォームからお願いします。
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