仕事をしていると「本当に動物好きじゃなきゃ出来ないよなぁ」と言われることが非常に多いのはなんでだろう、どうもこんばんは三日月です。
いやそりゃ夏でも冬でも台風でも動物の世話をする仕事をしている地点で動物好きじゃなきゃ出来ないでしょう…と思いつつそうですねぇ、と適当な返事をする日々です。
動物の飼育なんて正直いわゆる3Kの仕事ですよ。
いやホント文字通りです、まさに汚い、きつい、危険。
汚い
毎日の仕事の大半は獣舎の掃除です。エサを食べ散らかしていたらそれを拾い、まき散らして踏みつけて床にこびりついている糞をキレイにする。というか大体常に糞を拾っています、展示の場をあんまり汚くするわけにはいきませぬ。お客さんからの指摘も多いですし。
きつい
デッキブラシかけなど中腰でする作業が多かったり重たい荷物を持ったりする機会が多いので容赦なく腰に負担がかかります。ぎっくり腰は職業病みたいなもの。
常に外にいて動物の様子を観察したり色々とりにいったりしてうろうろしているので毎日1万歩以上歩きます、とてつもなく体力が要ります。
危険
相手は動物です、いつ何時何をしてくるかわかりません。相手がライオンやらトラやらであれば危険であるのは勿論のこと、小動物も身を守るために噛んできたりひっかいてきたりするので結構に危ないです。
獣舎で針金やら釘やらネジやら色々使うのでそれらで手指を怪我する事もままあります。右手がボロボロです…リスに噛まれ、サルの握力に負け、針金にひっかけました。なんていうトリプルコンボ。
こんなのなので動物が好きじゃなければできないのは間違いないのですが、毎日のように言われるのが不思議です。暗に馬鹿にされてるのだろうか…？
動物好きって一口にいうけどさ
動物好きに悪い人はいない！とよくよく言われる謎の文言がありますが、動物好きも色んなひとがいると思うのですよ。
大まかに分けて動物が好きで人も好きな人、動物が好きで人が苦手な人…この2つだけでもだいぶ差があると思うのです。
私は元々人間嫌いで動物が好きの後者でした。動物は見た目やそのありかたも好きだったのですが何よりドロドロしたものがなく「自分が生きのびて子孫を残す」という単純明快さっぱりした生き方が非常に好ましかったのです。
幼稚園～小学校低学年の時まで体が小さくて気が弱いためいじめの恰好の餌食にされていました。そして小学3年生くらい？に弟が障害者であることが発覚、父親の浮気が発覚して家庭がギスギスしはじめ毎日のように両親の喧嘩と怒鳴り声が響いていました。挙句5年生の時に両親が離婚しました。
そんな環境で育ったが故か、自分も人間なのに人間がとてつもなく嫌いでした。だから動物と関わる環境で生きていきたいと強く願っていました、これが私が動物園の飼育しになりたいと思った一番最初のきっかけかもしれません。
その後は友人に恵まれ、環境に恵まれ、今では人間好きの動物好きになりました。人と話すことも人を笑わせる事も大好きです、動物と一緒にいることも変わらず大好きです。
今は人間嫌いで動物好きのままこの年に至らなくて良かったなと心底思っています。
人間嫌いで動物好きな人は動物に偏りまくった愛情を注いでしまう人が多いように思われるのです。愛護ではなく愛誤と言われるような人々です。
例えば動物を食べたくないから殺したくないからベジタリアンになった…というのは素敵な生き方だと思う。だけど私はお肉食べるの好きだしベジタリアンにはなれない。元々肉用の豚を育ててたけどそれでもお肉もりもり食べてたし。
個人でベジタリアンになるのはいいけどそれを押し付けてくる人とかいるじゃないですか。動物を食べるために殺すなんてクレイジーだ！！とか言ってきちゃうひと。牛の気持ちになって考えろとか言ってくる人、そういうのはちょっと…牛の気持ちがわかるお前さんは牛なのかい？前世が牛だったんかい？と思ってしまう。動物の気持ちなんて100%人間にわかるわけなかろう。
いや私もお肉を食べるために都度都度自分で牛豚を殺すんだったら面倒だし食べないかもしれないけど…。
人間社会はドロドロしたものが多くて面倒だし嫌な事もごまんとあるけど、人間は人間と関わらないと生きていけないから人間嫌いのまんまだと生きるのがしんどくなっちゃう。
人間嫌いを治せるのは人間だけだし、今いるコミュニティでどうにもならないから新しいコミュニティに突撃しちゃえばいい。人間が嫌いだから動物が好きな人は出来たら人間に寄れる努力をした方が後々自分が楽になりますよ…と経験者は語る。
まとまりが悪いですが本日はここまで。
