好きなことを仕事にしているからお給料安くても辛くても大丈夫なんて言葉はこの世にあってはいけない
やりたいことを仕事にしている方もそうでない方も、もうお給料が安いことを我慢するのはやめませんか。好きなことをしていても頑張っていても生活が苦しいことを声に出してもっと明るみに出していきませんか。
退職の決意が固まりました
今社会人として頑張っている方々も本当は好きなことや自分の興味があること、楽しいことを仕事にしてお金もらいたいと考えている人が多いのではないでしょうか。
私も本当は大好きな動物に関わる仕事をして暮らして行きたかったのですが、夢と現実を天秤にかけたとき夢よりも現実を取るべきという結論に至り退職する決意が固まりました。
平たく言うとお金>>>(超えられない壁)>>>夢が私の結論です。
飼育員は割とやりがい搾取の世界
実は飼育員という仕事は憧れる、目指す人が非常に多い職業です。身近に動物好きな方がいないと全く見えない世界ですよね。
その人気ぶりといえば上野動物園始め東京の動物園、ズーラシアをはじめ横浜の動物園の飼育員職の倍率たるや10倍20倍ではとてもおさまりきれないほど。(風の噂によると100倍以上とも…!)
本当に動物が好きでこの仕事に就く方がほとんどであり、一度正規職員として就職すると定年まで勤めあげる方が非常に多い職です。空きが出ないと求人が出ないため、倍率が異様なまでに高いのです。
憧れる人が多い飼育員の仕事は6kの仕事
現場仕事は3Kとよく言いますが、私は飼育員の仕事は6Kだと思っています。
- きつい
- 危険
- 汚い
- くさい
- 給料安い
- 休暇が少ない
きつい
文字通りめちゃくちゃに体力がきついです。
動物が大きくなればなるほど餌の量もフンの量も増えますし、掃除する場所も広くなります。またスペースの関係で無茶な体勢で世話をしたり作業をしたりしなければならない場合も多々あります。
また餌の袋はその多くが20キロ、重たいものでは40キロあります。それをいくつも素手で何往復もして運びます。
危険
小さい動物も大きい動物も等しく危険です。
草食動物の場合
ネズミやウサギなどの小動物でも本気で齧られれば大怪我をします。
ウマに蹴られれば簡単にぶっ飛びますし、最悪死ぬ可能性もあります。相手がゾウともなれば、相手はじゃれているつもりでも人間はいとも簡単に死にます。
肉食動物の場合
トラやライオンの獣舎(じゅうしゃ)の施錠を忘れたり操作の手順を間違えたりして彼らと同じ空間に入ってしまったら……どうなるかは言うまでもありません。
動物に関わる仕事以外
電動工具やさまざまな道具を使うことも多いため、操作を一つ間違えれば指の1本2本は簡単になくなります。
脚立を使って高所作業をすることもあるため、落ちたら大怪我をするかあるいは死にます。
汚い
飼育員の仕事は糞尿の掃除がメインといっても過言ではありません。
また動物が怪我や病気をした場合など、吐瀉物や血にまみれることもあります。バックヤードも埃まみれで決して綺麗とはいえません。
臭い
肉を食べる動物も草を食べる動物も、それぞれ糞尿に特有の匂いがあります。
ウサギやネズミの仲間の臭いは比較的体につきにくいのですが、ウマの臭いは指や体にこびりついてなかなかとれません。
就業後に風呂に入らずにどこかに行くことがはばかられるレベルです。大きな園には飼育員用のシャワーやお風呂がありますが、設備がない園の方が多いような気がします。
給料が少ない
同世代のサラリーマンと比べると、格段にお給料が少ないです。
とはいえ正規職員であれば生活は出来るレベルであろうと思うのですが(思いたいのですが)、非正規職員の場合は特に本当に酷いものです。手取りで11万〜13万くらい、最低賃金に毛が生えた程度のお給料しかもらえません。
休暇が少ない
基本的に年間休日は非常に少ないです。
シフト制のため土日も祝日も関係なく、下手すると年間休日が100日を切るところもあります。また体質的に古く、早出や残業が美徳とされている文化が根強く残っています。
夢の世界だから低賃金で良いなんて風潮は許せない
私は動物が好きです、だから飼育員になりたかった。
飼育員でいられる時間は本当に楽しいです。毎日動物と一緒にいられる環境は何者にも変えがたいです、だけど好きだけで生活はできません。
はたらけど
はたらけど猶わが生活楽にならざり
ぢっと手を見る
石川啄木『一握の砂』
引用元:一握の砂 – Wikipedia
働いても働いても全く給料は増えない、要求ばかりが増えていってただいたずらに体力と精神力だけすり減らして行く…そんな生活の中で常にこの歌が頭をちらついていました。
この環境に飛び込むまで頑張っても頑張っても評価されない、報酬として返ってこないということがこんなにも辛いとは知りませんでした。
上司から言われた衝撃的な一言
そんな中、私の上司は話の流れの中で最低賃金の人間達に対して「仕事の出来をA・B・C・D・Eで判断した時、臨時職員の中で現在Aランクの仕事をしている人間は1人もいない」と宣いました。
ええまあ、心底驚きました。
そもそも1時間800円とちょっとの最低賃金で働いている人間に対し、Aランクの仕事を求めるのはおかしいのではありませんか?
私は人間というものは報酬がないと頑張れない、頑張らないのが至極当たり前だと思っていました。しかしこの件で給料に関わらず、全力で働くべきと考える方が実際いることを知ってしまいました。
そして「夢よりも現実を取るべきではないか」、そう悩んでいた私はもうこんな職場に夢を見るのは辞めようと心を決めました。
低賃金に納得いかない人はもっと声をあげて欲しいけど逃げるのも吉
世の中には私と同じく好きな仕事だから…と低賃金でも頑張っている方が多いと思います。だけどもうこんな生活は無理だと思ったら逃げていいんです、むしろ逃げましょう。
好きな仕事だから生活が苦しくても我慢しなければならない、なんてことは絶対に絶対にありえません。
なぜかといえば世の中の大半のことはお金があれば解決できるからです。
お金にはそんなパワーとエネルギーがあるからです。
日本にはなぜがお金が汚いものという風潮があるように思います。しかしお金がなければ服を着るのもご飯を食べるのもできません。どこかに住むのことも、遊びにいくことも勉強することも何できません。
そのお金がもたらすエネルギーをろく支払わず、エネルギー以上の労働力を求めてくる経営者の方がおかしいのです。
努力する人の努力がきちんと報われますように
どんな職でも低賃金すぎて人が集まらなければ待遇を改善せざるを得なくなるはず。であれば低賃金で苦しんでいる我々は、声を大にして苦しい事を叫んで行くべきなのではないかと思います。
私は耐えきれずこの環境から逃げますが、それでもただ黙っていなくなるのは心底悔しいので小さい声ながらネットの海の中に声を残しておきます。
保育士、アニメーター、図書館司書、講師……世の中に必要とされながら劣悪な環境で働いている方たちの頑張りが認められて少しでも環境が改善されていきますよう切に願っています。
世の中には仕事がたくさんあることを知ろう
疲れていると今自分がいるところが世界の全てだ、そしてお先が真っ暗だと思ってしまいますよね。
ですが世の中は労働力不足が叫ばれていて、そして求人を出している企業は星の数ほどあります。転職サイトに登録して求人を出している企業がどれだけあるか、どんな求人があるか知るだけでも気持ちが楽になりますよ。