三日月(@trickwolves)です。
就活の時期を迎えると、あるいは社会人になると、仕事のことで思い悩むことが増えますよね。かくいう私も社会に出てから、仕事のことで10年近く悩んでいます。
仕事については自分の目指すものやライフスタイルによって、正社員が良いのか派遣が良いのか悩みつつ決める方も多いかと思います。そしてその選択肢の中に「役所の臨時職員」を入れようと考えている方もいらっしゃるのではないかと思います。
当記事ではそんな方向けに、とある市の臨時職員として1年近く勤務している私からのアドバイスをしていきます。
アドバイスの内容を端的に言うと、「できればやめとけ☆」となります(笑)
役所の臨時職員として働くメリット
- 公務員試験をパスしなくても、役所(や関連施設)の中で働くことができる
- 実務経験を積める→実務経験が必要な資格を取得するための土台を作れる
役所の臨時職員として働くデメリット
- 正規職員とほぼ同等の仕事にも関わらず、給料が異様なまでに安い
- 評価制度がない、もしくはあっても誤差の範囲
- 臨時の立場にも関わらず客(市民)からは公務員だと思われる
- ↑の理由から、公務員と同じ対応や立ち振る舞いを要求される
- 一般企業から見た場合、履歴書上の臨時職員の評価はとても低い
正直な話、役所の臨時職員として働くことはメリットを考えても余りあるデメリットがあります。
今回の記事では、デメリットの方に焦点を当ててみます。
給料が異様なまでに安い
ほぼほぼ最低時給か、それに近い金額での雇用となります。
それにも関わらず事務職であろうと現場職であろうとほぼ正規職員と同じ量、同じ質の仕事を要求されます。
上記サイトによると公務員の一般職員の平均年収は557万円、そして臨時職員の平均年収は323万円とのことです。もちろん都道府県や市、職務内容によって年収に大きく差があるものと思われます。
が
正直この額を貰っている臨時職員はほぼいないものと考えた方が良いです。特に現場職(図書館司書、保育士、動物飼育員など)の場合、この平均年収マイナス100万くらいだと考えても差し支えありません。
ぶっちゃけた話、1日8時間フルタイムで働いて年収は200万ぽっちです。そして悲しいことに、隣で同じような仕事をしている正規職員はその倍の給料を貰っています。
こちらに私の給料明細を載せています、宜しければご覧ください。
もちろん正規職員の方が責任は重いでしょう、何かあった時責任をより問われるのは間違いなく正規職員でしょう。
とはいえ、同じような仕事をして給料が倍近く違うというのは一体全体どういうことなのでしょうか。図書館を筆頭として、施設としての機能を臨時職員に支えられている公的な施設はかなり多く存在するはずです。
それにも関わらず臨時職員を最低時給でこき使っている、それが日本の現状です。
実際私が勤めている小さな動物園も、臨時職員が一斉ストライキなんて起こした日には立ち行かなくなります。そもそも開園すら出来ないと思われます。いっそストライキでも起こせたら気持ちがすっきりするでしょうか?
そんなバカな、と思う方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ご自分が住んでいる市や住みたい市の臨時職員募集の要項を見てみて下さい。愕然とすると思います。あるいはこんな給料なら、楽な仕事なのでは?と感じると思います。
ぶっちゃけ、高校生のコンビニバイトくらいのお給料でめちゃくちゃにこき使われます。
評価制度がないもしくはあっても微妙なもの
正規職員であれば勤続年数や成果によって年収が上昇していくものと思われますが、臨時職員においては昇給はあってないようなものです。
正直どれだけ頑張っても評価をして頂くこと自体がありません、頑張っても頑張ってもお給料には一切繋がりません。平たく言ってしまえば、頑張っても頑張らなくても給料面では何も一切変わりません。
正直な話、私の勤めている職場では雇用されている・雇用している関係が続いているにも関わらず1年に1回書類上で契約を切り書類上で再雇用をするというセコイ手段を使って正規職員への登用・無期雇用への道を完全に閉ざしています。
「有期労働契約が5年を超えた場合は無期雇用へ転用しないといけない」と労働契約法で定められているのですが、これを回避するために書類上で小細工を行うことが普通にまかり通る世界、それが役所の臨時職員をとりまく世界です。
お客さん(市民)から公務員だと思われる
これがまたやっかいな点です。
臨時職員ですのでつまりはアルバイト、パートのようなものですが市民から見たらそんなことはわかりません。その施設にいてその施設で働いている人=公務員と見られてしまうため、心無い言葉を投げられたりそういった態度を取られたりします。
道行くお客さんに「公務員だから良いよね~」やら「公務員のくせに~」などと言われますが、臨時職員はあくまで臨時であり公務員ではないのです。そもそも公務員だからという理由だけで人を馬鹿にしたり卑下したりする方もどうかと思いますが、公務員のくせに~と言われても我々臨時職員にはなにもどうにも出来ません。
ただ仕事をしているだけで馬鹿にされる…なんというか、この点においてはただひたすらに悲しいです。それなくても日頃の理不尽な扱いに耐えているのに。
公務員と同じ対応や立ち振る舞いを要求される
上で述べたものと内容は被りますが、その施設にいてその施設で働いている人=公務員と見られてしまうことから、役所側から「市の職員としての立ち振る舞い」「市の職員としての対応」を強要されます。
この安月給の人にそれを要求するのってどうなの…と思いますが、市の公務員という姿に泥を塗らないよう、笑顔で明るい接客をするように毎朝毎晩言われます。
一般企業から見た臨時職員のイメージはあまり良くない
私は商社に勤めていた時に一部人事の仕事にも携わっており、応募者の履歴書チェックや面接に進めるかどうかの意見出しを行っていました。
その時の経験から申しますと、正直履歴書上の臨時職員の歴が長ければ長いほど
といった印象を受けました。正規職員になれなかったのかな、がっつり働きたくなかったのかな、という印象を持ってしまっていました。
当時の私は臨時職員がこんなにも劣悪な環境に置かれているだなんて知らなかったから、と言ってしまえばそれまでです。若気の至りとも言えそうな酷い印象でして、今となっては失礼なことを考えていたな…と反省しています。
しかしアラサーの私ですら、こんな歪んだ思考を持っていたのが事実です。とすれば人事が年配の方である場合、臨時職員というものに対してもっと悪い印象を持っている可能性が高いのではないかと思います。
覚悟と目的が無い限り臨時職員になることすすめられない
「何かの資格(学芸員や飼育技師など)を取るために実務経験が必要である」とか、「どうしても期間限定でも憧れの施設で働いてみたい」とか余程の強い覚悟や目的、情熱が無い限り臨時職員になることは全くお勧めしません。
なぜなら「驚くほど安い給料でこき使われて、契約期間終了後は再利用不可能なちり紙のようにぽいと捨てられてしまうから」です。
それが地方役所と、その関連施設の臨時職員というものです。
安直な気持ちで「とりあえず臨時職員でいいか」と思ってそちらに進もうとしている方がいたら、ぜひ一度考え直してみて下さい。お給料が安くて激務、そしてろくに評価もされない環境は精神的にかなり堪えますよ。
臨時職員より良い待遇の企業もあるかもしれません
臨時職員になろうかな…なんて考えている方は一度転職サイトに登録してどんな求人が出ているか見てみて下さい。同業種でもっと条件のいい企業が見つかるかもしれません。