こんばんは、三日月(@trickwolves)です。
最近珍しい動物をペットにする方が多く、またそれに憧れる方が多いように見受けられます。そこで今回はそういった動物たちをペットにするとどういった心配事があるのか、そしてどれだけお金がかかるか考えてみましょう。
エキゾチックアニマルは時間とお金がないと飼えない
エキゾチックアニマル(Exotic animal)は、ペット及び伴侶動物(コンパニオンアニマル)として飼育されている特殊な動物に対する呼称である。主に獣医師やペット業者の間で用いられる。(引用元:エキゾチックアニマル – Wikipedia)
エキゾチックアニマルの定義はあいまいですが、当記事では「一般的にペットとして普及している犬猫以外の動物」をエキゾチックアニマルの定義として記述します。
私はウサギを飼っています。種類はネザーランドドワーフ、ペットとして飼われているうさぎでは一番小さく飼いやすいので非常に人気があると言われています。
うさぎを飼っている人は年々増えていると言われています。
うさぎには散歩が必要ないこと、鳴かないことから一人暮らしやアパート暮らしでも比較的飼いやすいというメリットがあります。個体差は大きいものの、人馴れするという点もメリットといえることでしょう。
また個体の価格も非常に安価であり、私のうさぎも18,000円で購入しました。
血統書つきの子の場合は5万以上、時には10万円以上するようです。しかしイオンのペットショップで購入した、血統書なしの我が子はこんなリーズナブルなお値段でした。
エキゾチックアニマルを飼うとお金がかかる・エサ編
さてさて、前述しましたが我が子のお値段は18,000円です。
我が家ではウサギ用のフードとチモシーという牧草を主食として与え、おやつとして乾燥オオバコやパパイヤの葉などを与えています。
ウサギ用フードについて
我が家ではフードはインターネット通販、主に楽天で購入しています。
我が家ではラビットプラスとバニーセレクションという、2種類のフードをブレンドして与えています。フードはどちらも1袋2,000円くらいで、約3か月に1回くらいの頻度で購入しています。
一般的なペットショップで購入するよりは安価ですが、フード代だけでも1年に1万6,000円(2,000円×2種×年4回購入)ほどかかります。
チモシーについて
うさぎをはじめとした草食動物の主食、チモシー。
牧草類はまとめて買うと単価が大幅に下がる傾向が強いため、私は毎回箱で購入しています。1箱12袋入りのもので1箱が5,000円くらい、これを3~4か月に1回の頻度で購入しています。
3か月に1回購入すると仮定すると、チモシー代は1年で2万円ほどかかる計算になります。
毎回これを購入しているため、押入れの一角がチモシーだらけになります(笑)
エサ代についてまとめ
ということで改めて考えてみると、うさぎのエサ代は主食のフード+チモシーだけでも1年に3万6000円、おやつ代も含めると1年で4万円程となると考えられます。もちろん選ぶフードによってはもっと高くなったり、あるいは安くなったりすることでしょう。
しかしどちらにしても、この金額を我が子が生きている限り毎年支払うことになります。
ネザーランドドワーフの平均寿命は、5~10年といわれています。つまりこの子が5年生きたら餌代だけで18万円、10年生きたら36万円必要になります。
エキゾチックアニマルを飼うとお金がかかる・病院編
エサ代は動物を飼う上での基本中の基本、ある程度かかることは覚悟しているよ!という人も多いことでしょう。
しかし当然のことといえば当然のことですが、動物は生き物です。日々エサ代がかかるのは当然のこと、ある日急に病気になったりケガをしたりします。
日本においては人間は公的医療保険に入る義務があり、病院にかかる際は何割かの負担で診察や治療を受けることができます。しかし動物には公的な保険がありません。犬猫ならペット保険に入るという手もありますが、うさぎを始めとしたエキゾチックアニマルが入れるペット保険はかなり数が少ないです。
我が家のうさぎは特にペット保険に入っておらず、今まで3回病院にかかりました。その時の状況とかかった費用を見て行きましょう。
病院1回目
元気なのに急にごはんを食べなくなってしまい、慌てて病院に駆け込みました。歯が伸びすぎていることが原因ではないか?ということで麻酔をかけて臼歯を切除しました。
うさぎは全身麻酔をしないと奥歯が削れません。しかしうさぎの麻酔は技術が必要であり、うさぎになれていない獣医さんだと失敗する可能性が高いとのことでした。ここでかかった費用が1万6,200円でした。
病院2回目
1回目と同じく食欲不振で病院にかかりましたが、診療時間の関係で前回と違う病院に行きました。
とても残念なことに、その病院では非常にずさんな診察をされてしまいました。うさぎに不慣れな獣医さんだったようですが、怒りのあまりいくらかかったかは覚えていません。(一応処方された薬を飲ませたところ食欲不振は回復したので、結果オーライではありました。)
病院3回目
3回目は避妊手術のときです。
あまり知られていませんが、うさぎのメスは年齢を重ねると99%子宮疾患になると言われているほど子宮疾患が多い動物です。可能であれば体に脂肪を蓄え始める前、1歳くらいまでに避妊手術をすることを進める獣医さんも多いそうです。
とはいえ麻酔が難しいと言われているうさぎに全身麻酔をかけること、健康な体にわざわざメスを入れる必要があることから避妊手術をするかどうかは非常に悩みました。
2度目の全身麻酔になるので無事に帰ってきてくれるか不安で非常に怖かったのですが、少しでも長く一緒にいたいと思いわが子には避妊手術を頑張ってもらいました。この時にかかった費用が5万近くでした。
病院代についてまとめ
ということでわが子は今まで病院に3回かかり、合計金額は10万近くかかっています。
まだまだ若いと思っていてもわが子も今年で3才、この先年を重ねれば色々な症状が出る可能性もあります。この先病院代がどれだけかかるか、それは誰にもわかりません。
うさぎでも飼うのは大変、もっと珍しい動物だったら…?
改めて考えてみると、私は自分のうさぎのエサ代ともろもろの必要なもの(ケージやトイレ砂など)に今のところ10万近く、病院代でも10万近く使っていると思われます。
何度もいいます、うさぎ自体は1万8,000円です。
うさぎを3年飼ってかかった費用はおおよそ10倍の金額、20万円です。
これからこの子が仮に7年生きたら、どれだけの費用が掛かるでしょうか?
もちろんもっと安いエサもあります、病院に行かないという選択肢もあるにはあります。かかる費用を節約し、削ろうと思えばもう少し削れるのかもしれません。
しかし大切なペットに健康的に暮らしてもらおうと思ったら、どうしてもある程度まとまったお金が必要になります。
ペットとしてそれなりに知名度が高く、体が小さいうさぎでもこれだけの費用が掛かります。これがもっと珍しい動物だったら、どれだけのお金がかかるでしょうか。
例えば今流行りのカワウソ
最近はやりのコツメカワウソ。
見た目も動きもキュート!な彼らを見ていると、思わずメロメロになっちゃいますよね。一緒に暮らしたい!と考える人も少なからずいるのでしょう。私は飼いたいと思いませんけれど。
では彼らを飼う場合、どんなものが必要になるでしょうか。
水場(プール)
カワウソは水辺に生息している動物です、そのためプールは必需品です。
プールの水はカワウソの食べ残しや排泄物ですぐに汚れるため、そのつど水替えと掃除をしなければなりません。つまり水道代が跳ね上がることを覚悟する必要があります。
エサ(魚など)
カワウソのエサは主に魚です。
カワウソは1日あたり、体重の10~15%程度のエサを食べるといわれています。コツメカワウソの体重は個体差があるものの、おおよそ1~5.4kgとのことです。つまり1日に100~540g程度の魚を食べるという計算になります。
コツメカワウソの体重を3Kg、1日に食べるエサの量を300gと仮定すると1カ月に9Kgものエサが必要となります。動物園や水族館ではアジやサバ、キビナゴなどの魚のほかササミや尿路結石予防のキャットフードを与えているようですが、9Kgのエサを毎月用意するとなれば相当なお金がかかることでしょう。
また魚介類は痛みやすいため、保管するためには大きい冷蔵庫、あるいは冷凍庫が必要になります。新鮮な魚介類を常備する、と考えると水道代だけでなく電気代も跳ね上がること間違いなしです。
広い生活スペース
運動させるため、十分なスペースを確保する必要があります。
プールを置き、カワウソを十分に運動させると考えると、それなりに広い敷地が必要です。そして魚介類を好んで食べるカワウソはそれなりに体臭が生臭く、また臭腺にたまる分泌物がとんでもなく臭いです。
近隣の方への配慮を考えると、正直家自体が戸建ての方が良いかもしれません。
カワウソを診察できる獣医師
エキゾチックアニマルであるカワウソを診察できる獣医師、これは何よりも大切なものです。
珍しい動物は通常の動物病院では診察してもらえないことが多く、なんとか診察をしてもらえたとしても十分な治療が受けられるとは限りません。
特にカワウソのような一般的とはいえない動物の場合、病気やケガなど万一の事態が起きてから獣医師を探すのでは遅すぎます。「まぁ平気だろう」という甘い考えでカワウソを飼えば、万一の時に痛みに苦しむ我が子の顔を見ながら、何もできないという無力感を味わうことになることでしょう。
どうしてもカワウソを飼育したいと望むのであれば、あらかじめカワウソの診察や治療の経験がある獣医師を探しておいてください。
例えばフクロウカフェで人気のフクロウ
では最近フクロウカフェなどで人気がある、フクロウを飼う時にはどんなものが必要になるでしょうか。
エサ・大きめの冷凍庫
肉食動物であるフクロウの食事は生肉です。
ペットのフクロウに与えるエサは、基本的に丸ごとのウズラやマウス、ヒヨコです。フクロウを生かすためにはこれらの小動物を自分で殺すか、あるいは冷凍された市販品などを購入して与える必要があります。
エサを与える際にはハサミなどでカットして食べやすい大きさに切り、内臓などを取り除く必要があります。またエサを切らしてしまった場合すぐに入手することが難しいため、大きめの冷蔵庫や冷凍庫を用意して常にある程度の量をストックしておく必要もあります。飼うフクロウの大きさにもよりますが、1月にかかるエサ代はおおよそ5,000~1万円ほどのようです。
なおスーパーで売っている人間用の肉を食べさせればいいのでは?と思う人もいるかもしれません。しかし人間が食べる用の肉は血抜きがされていて、内臓や骨が除去されています。こういった肉では野生において獲物の肉だけでなく内臓や骨まで食べるフクロウにとっては栄養が足りず、いずれ栄養失調になってしまいます。
広い生活スペース
フクロウは鳥類なので当然ながら羽根を広げます、そして飛びます。
その際羽根がすれたりぶつかったりしないように、広い飼育スペースが必要となります。また外に逃がさない工夫も必要となります。
フクロウを診察できる獣医師
カワウソと同じく、フクロウの診察ができる獣医師の存在は何よりも大切なものです。
イヌやネコといった哺乳類と、鳥類は体の作りや生理が全く異なります。そのため哺乳類の診察はできても鳥類の診察はできない、詳しくないという獣医師も少なくありません。
また比較的一般的なペットであるセキセイインコやブンチョウなどの小鳥と、フクロウでは食べるものも体の作りも全く異なります。そのためフクロウの診療ができない、したことがない獣医師がいても不思議ではないことを把握しておいてください。
エキゾチックアニマルを飼う上で最も重要なのは獣医師の存在
日本国内をくまなく探せば、カワウソもフクロウも診察できる獣医師はいることでしょう。例えば動物園で勤務している(していた)獣医師であれば、あらゆる珍しい動物の診察経験があるのではないかと考えられます。ただしそういった獣医師を探せたとして、どの程度の診察料がかかるかわかりません。
動物病院の診察料は人間の病院と異なり、獣医さんの裁量で決められるものです。そのため珍しい動物であればあるほど、難しい症例になればなるほど、高額な医療費がかることでしょうす。
カワウソを飼う時に必要なのはカワウソ代だけではありません、フクロウを飼う時にかかるのはフクロウ代だけではありません。
まとめ
さまざまな動物と一緒に暮らしたい、という気持ちはわかります。しかし実際に動物を飼う前に、ちょっとだけ立ち止まって考えてみて下さい。
- 動物を飼う時には、たくさんのお金が必要になる
- 動物を飼うためには、事前の調査と準備が大切
- 愛情だけでは動物と暮らし続けることはできない
どんな動物を飼う時も、この3点だけは忘れないでください。1年先や10年先の自分と動物のことをよく考えてから、家族としてお迎えしてあげてください。
勢いだけで動物を飼うと、人も動物もひっくるめてみんなが不幸になってしまう可能性が高い…ということを、心に刻んでおいて頂けたら嬉しいです。