元飼育員の動物ライター、みかづき(@trickwolves)です。
このブログでも何度か話したことがあるのですが、私はぶっちゃけ母親との関係がよろしくありません。実の親子ではあるのですがあまりにもソリが合わず、一緒にいたり連絡をしたりすると心身ともに猛烈に疲れてしまうため、私の方から一方的に連絡を絶っていました。
実の親なのに連絡を拒否するなんて、大切にしないなんて親不孝な、いつかバチが当たるぞ……なんて思う方もいることでしょう。
正直なところ、物心がついたときから母親に思うことはありました。しかし自分の力でお金を稼げない子どもの立場である間は、養ってもらっている間は、黙って従うほかありませんでした。
しかし成人し、社会人となって自分の足で立てるようになり、諸々と母親から受けた仕打ちが積み重なっていくうちに「できることなら縁を切りたい」と強く思うようになりました。
そして親との縁を切り、自分の気持ちを整理する1つの手段として「分籍届」というものを出すことに決めたのです。
分籍届とは
分籍届
”本籍地を移転することを「転籍」といい、戸籍に記載されている人全員の本籍地が変更になります(転籍前に婚姻や死亡等で除籍になっている人は新しい戸籍には記載されません)。一方、戸籍の筆頭者や配偶者以外の成年に達した人が、在籍している戸籍から分かれて一人で新しい戸籍を作ることを「分籍」といいます(静岡県清水町のサイトから引用)。”
分籍。それは戸籍の筆頭者(戸籍の最初に名前がある人)ではない人が親の戸籍から分かれ、自分が筆頭者となる新しい戸籍を作ることを指します。
分籍届はその手続きをするための書類で、出生届、死亡届、婚姻届などと同じく、市役所に届け出をします。
なお分籍届を提出できる人は
- 戸籍の筆頭者以外の人
- 配偶者以外の人
- 成人している人
に限られ、未成年は分籍届を出すことができません。
分籍届を提出して受理されると親の戸籍から自分の名前が消えるほか、新たに作られる自分の戸籍に親の名前が載らなくなります。
静岡県の某市で分籍届を出してきた時のお話
ということで分籍届を出すことに決めたまではいいのですが、私の住む市のホームページには分籍届に関する記述がなく、手続きをするために何が必要なのかわかりませんでした。そこで分籍届に関する記述がある市町村のページを見てみたところ、
- 戸籍謄本
- 認印
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
が必要である場合が多いようでした。
しかし市町村によって、必要なものが違うようです。これはもう面倒くさいので市役所で聞くのが一番手っ取り早いだろうと考え、認印と本人確認書類だけ持って市役所に行くことに。
そして到着した市役所ではどこに行けばいいかわからなかったため、案内の方に「分籍届を出したい」と伝えたところ、戸籍関係の窓口に通されました。
そして戸籍関係の窓口で改めて「分籍届を出したい」と伝えたところ、対応してくれた職員さんは「分籍届ですね、ちょっと待っていてくださいね」と何のためらいもなく書類を出してきてくれたのです。
そして驚くことに私の住む市では戸籍謄本も認印も不要とのことで、書類に必要事項を記載するだけで手続きが終わりました。
時間にして10分か15分くらいでしょうか。正直あまりにも手続きが簡単すぎて、拍子抜けしてしまいました。
とはいえ「これで親の戸籍から抜けられる!」と思ったら心がすっきりして、うれしくて、帰りの車を運転しながら少しだけ泣いてしまったのはここだけの話にしておきます。
分籍届を出すメリット
気持ちがすっきりする
以上!!説明不要!!!
……と言いたいところですが、まじめな話をすると「戸籍という書類の上だけでも親の名前を見なくていい」という事実は、親との関係が悪い人にとって何ものにも代え難いメリットと言えることでしょう。
分籍届を出すデメリット
法的な親子の縁は切れない
残念なことに今の日本には親子の縁を切る手段がなく、分籍届もあくまで戸籍を分けるだけの手続きです。戸籍は別になっても親が子どもの戸籍謄本を取得することは可能であり、遺産(や負債)の相続をする権利が消えることもありません。
元の戸籍に戻ることはできない
一度分籍届を出して戸籍から抜けると、原則元の戸籍に戻ることはできません。これは親子の関係が悪い人にとってはむしろ、メリットといえるかもしれませんが。
新たに戸籍を発行できるまでに時間がかかる
私は本籍を同じ市から同じ市に移動させましたが、それでも新しい戸籍が発行できるようになるまでに1週間ほどかかるとのことでした。市内での移動ではない場合は、さらに時間がかかかるそうです。
分籍届を出してきた話のまとめ
ということで、今回は分籍届を出してきた時の体験談や、分籍届を出すメリットデメリットをまとめてみました。
今回の体験談はごく一部の人には役立つかもしれないけれど、ほとんどの人にとっては生涯を通して縁がない話であることでしょう。しかし私の体験談がそのごく一部の人の助けになるのであれば、これ以上うれしいことはありません。
誰だって本当は親と縁を切るなんてことはしたくないし、親といい関係でいたかったし、なにより親に愛されたかったはず。私も叶うのなら両親がそろった家で、まともに会話ができるきょうだいと一緒に、なんでもない当たり前の暮らしをしたかったです。
正直な話をすると、今でもそんな絶対に叶わない夢を完全に捨てることはできていません。それでも何十年ももがき続けた今は信頼できる友人やパートナーと出会って、なんやかんやと穏やかに暮らすことができています。
苦しまなくていいはずのことで苦しんでいる人たちが少しでも楽に、穏やかに暮らせますように。もし分籍届に関して知りたいことがある方がいましたら、気軽にXのDMやこのブログのお問い合わせフォームから連絡してくださいね!