47都道府県制覇しよう&全国各地の動物園水族館に行こう!計画中の元動物園飼育員、みかづき(@trickwolves)です。
2024年2月25日。静岡県沼津市にあった水族館「あわしまマリンパーク」が、惜しまれながら閉園しました。幸いにも閉園前に行くことができたので、在りし日を偲べるように感想を残しておきます。
あわしまマリンパークの小話とアクセス
園の名前にもある「あわしま」とは静岡県沼津市にある島、「淡島」のこと。あわしまマリンパークは小型の船舶を使って水族館がある淡島へと移動する、全国でも珍しい形の水族館でした。
あわしまマリンパーク自体の立地は、JR沼津駅からバスで30分ほど。沼津駅は新幹線が止まる三島駅の隣駅なので、公共交通機関を使っても車を使っても、アクセス的にはそこまで悪くないかな?という印象でした。
入園料は通常大人2000円、子ども1000円、駐車場代は500円。入園料に小型船の乗車料金も含まれていたことを考えると、特に子どもにとってはお手頃な価格だったように感じました。
あわしまマリンパークのおすすめスポット
あわしまマリンパークは小さな水族館でしたが、魚類に加えてイルカ、アシカ、アザラシ、オタリア、ペンギン、カワウソなど水族館らしい海獣たちが飼育されていました。
イベントとしてはイルカの公開トレーニング(いわゆるイルカショー的なもの)、アシカショー、魚の解説、ふれあい水槽がありました。イルカの公開トレーニングは時間こそ短いものの、アシカショーは場所こそせまいものの、どちらもトレーナーの方の工夫や愛が感じられるとても素晴らしいものでした。
特にアシカショーではアシカ、オタリア、アザラシが出演し、それぞれの特徴を生かしたパフォーマンスを見せてくれてとても楽しかったです。
またペンギンも飼育スペースは広くないけれどフンボルトペンギン、ケープペンギン、イワトビペンギンと3種ものペンギンが飼育されていました。事前情報を仕入れずに訪問したため、(フンボルト、ケープに比べて)飼育されている園館が多くないイワトビペンギンがいることに驚きました…!
魚類の展示に関しても、設備は古いけれどスタッフさんの手書きの説明や力の入った展示が多く、学びになるものも多くありました。大きな水族館ではなかなか作れなそうな”個々のスタッフさんが好きなもの(クマサカガイ、ウニなど)”をたっぷりの熱意と情熱を込めて解説、展示しているコーナーは特にもっとじっくり見たかったです…!!
水族館2階にあった「ふれあい水槽」ではヌタウナギやオオグソクムシ、ヒトデなどの説明を聞きながら実際に触れあう体験ができて、非常に興味深く楽しむことができました。
多種多様なカエルが展示されている「カエル館」という施設もあったのですが、混みすぎていてほとんどカエルを観察できなかったためここでは名前の紹介だけに留めておきます。
なお入園料を払っていれば、水族館だけでなく淡島をぐるりと一周することができました。途中には釣り堀や神社などもあり、水族館で遊んだ後はゆったりと島を散歩する…なんて贅沢な休日を過ごせる場所だったようです。
淡島の海は青く透明度が高く、ゆらめく水面や波を見ているだけでも日頃の疲れやストレスが簡単に吹き飛ぶくらいの美しさでした。その美しさは淡島の海を見るためだけに入園料を払ってもいいと思えるほどで、正直海を眺めながら「なんでもっと早く来なかったのだろう…」と後悔しました…。
あわしまマリンパークの食べ物やお土産
あわしまマリンパークには「うみねCafe」と「レストラン離宮『Mr.丼亭』」という名の、2か所の食事処がありました。
私が訪問した2024年2月9日は前者がお休みだったため、レストラン離宮にてひれカツカレーを頂きました。海鮮丼やらなんやらもあったのですが、この日は当初の予定における閉園日(2月12日)直前だったため多くの商品が売り切れていました。
島内には「ショップしまたろう」というショップがあり、オリジナルグッズやラブライブグッズなどを販売していました。この日は閉園日直前だったため売り切れが続出していましたが、ぬいぐるみからお菓子からキーホルダーから何から、お土産には困らないような品揃えがあった様子が伺えました。
あわしまマリンパークのまとめ
- 水族館としての規模は小さく、設備は古い
- 施設は昭和時代、バブルの時代を感じさせる作りだった
- その分スタッフさんが愛でカバーしていることが伝わってきた
- イルカの公開トレーニング、アシカショーのクオリティが高かった
- 周囲の海が驚くほど美しかった
あわしまマリンパークは船で行くという、他にはないアクセス方法が非常に魅力的な水族館でした。
ただその立地上、集客や修繕などありとあらゆることに関して他の水族館より多くのコストがかかったのだろうなぁ…ということが推測できる水族館でもありました。
小さく設備が古い水族館ではあるものの、その小ささや古さをカバーしてさらに魅力に変えるほどのスタッフさんの愛とエネルギーを感じたこと、淡島の海があまりにも美しかったことから、再開した際はまた足を運べればと思っています。
元飼育員で業界の不条理を目にしてきた身としては、スタッフさんたちには理不尽に負けず頑張ってもらいたいな、などと勝手なことを思っています。とびきりの情熱をもったスタッフさんたちが、この先も動物たちと過ごせますように。