突然ですが、あなたは毛皮がどのように作られているか知っていますか?
これから寒くなっていくと、リアルファーを使ったコートやマフラーがたくさん店頭に並ぶようになりますよね。ラビット、フォックス、ミンク……さまざまな種類の毛皮がありますが、その作り方を知っていますか?
そういえば毛皮について考えたことなんてないなぁ、という方はぜひ記事を読んでいってください。
毛皮は動物の命そのもの
さて、では先ほどの質問の答え合わせといきましょう。
もしかしたら毛皮はヒツジの毛刈りのようにバリカンを使って刈り取っていて、何度も何度も取れるものだと思っている人もいるのではないでしょうか。
実は毛皮は1匹、1頭の動物から1枚しか取れないものなんです。
なぜなら毛皮を取る時は動物を殺し、皮膚ごと被毛をはぎ取らないといけないからです。
つまりあなたが「かわいい」「あたたかい」と思って使っているその毛皮は、“動物の命そのもの”なのです。
そんなの知らなかった…!!という人もいるのではないでしょうか。
毛皮の種類について
実は毛皮には、ざっくり2つの種類があります。1つ目は動物から取った本物の毛皮である「リアルファー」、2つ目は化学繊維などを使った合成の毛皮「フェイクファー」です。
またリアルファーには多くの種類があり、
- フォックスファーはキツネ
- ラビットファーはウサギ
- ミンクはイタチ科の動物であるミンク
- セーブルはイタチ科の動物であるクロテン
- ラクーンはアライグマ
- チンチラはチンチラ
- ムートンはヒツジ
の毛皮…のことを指します。
他にも毛皮動物としてはタヌキやヌートリア、ビーバーやリスなど、さまざま動物が利用されています。
また野生動物も毛皮動物として利用されていて、トラやヒョウ、ユキヒョウやオセロットなどのネコ科動物、ラッコやオットセイなどの海生哺乳類など、多くの動物が毛皮を目当てに狩られてきました。
リアルファーのメリットとデメリット
リアルファーの種類を知った後は、リアルファーのメリットとデメリットを見ていきましょう。
リアルファーのメリット
- あたたかい
- 適切な手入れをすると長期間使用できる
- 廃棄する際に土に還る
リアルファーのデメリット
- 動物を殺さないと入手できない
- なめす際に使用する薬品が環境に悪い(といわれている)
毛皮でコートやカバンを作ろうとすると、1匹、1頭の動物の毛皮では到底足りません。そのため動物の大きさにもよりますが、1着のコート、1つのカバンを作るためにはたくさんの動物の命が必要となります。
フェイクファーのメリットとデメリット
次にフェイクファーのメリットとデメリットを見ていきましょう。
フェイクファーのメリット
- 動物を殺さなくても入手できる
- 好きな色合いや風合いを作り出せる
フェイクファーのデメリット
- 原料が石油であるため、最終的にマイクロプラスチックとなって環境を汚染する可能性がある
- 廃棄する際に土に還らない
フェイクファーは動物を育てたり狩ったりする必要がないため、ある種無尽蔵に作り出すことが可能です。また人工的に作りだすものであることから、動物にはありえない色合いや模様などを作り出せることもメリットといえるのかもしれません。
毛皮を使うかどうかは人それぞれ
ここまでリアルファーとフェイクファーの違い、そしてメリットデメリットについて説明してきました。
私自身は毛皮を使わない主義ですが、毛皮反対派ではありません。なぜならメリットにも書いた通り毛皮は実際にあたたかいこと、見た目も手触りも良いこと、そして適切なケアを行えば長い期間使えることを知っているからです。
しかし私は日本、それも雪も降らない温暖な静岡県に住んでいることから、リアルファーは必要ないものだと判断しています。そのため私自身はリアルファーを購入したり、使用したりすることは(基本的に)ありません。
しかし毛皮は命であることを知ったうえで、自分なりに付き合っていくと判断することが悪いことだとは思いません。なので毛皮を愛好する人に対し、何らかの攻撃をするつもりも一切ありません。
毛皮は動物の命そのものだけど、利用するかどうかは個人の考えで良いと思う
私自身は毛皮というものに対し、「良い」も「悪い」も言うつもりはありません。
しかし毛皮が動物の命そのものであり、どのように作られているかということについては多くの人に知って欲しいと思います。それを知った上でどのように考えるか、どのように判断するかというのは個人の自由だからです。
なぜ今回この記事を書いたかというと、高校生の時に同じような内容をブログに書き、当時の友人から「毛皮がどのように作られているか知らず、動物が好きで動物を身近に感じられるからファーを使っていた。事実を教えてくれてありがとう。」というコメントをもらったことを思い出したからです。
もしかしたら友人のように、事実を知らず”動物が好き”という理由で毛皮を使っている人もいるかも知れません。知らない方が幸せなことかもしれませんが、それでも私はこの事実を伝えていきたいと思います。
この記事が毛皮というものについて知り考える、1つのきっかけになれば幸いです。
参考にしたサイト
VOGUE「「エコファー」って環境に優しいの?【環境問題のギモンを解消!】」
https://www.vogue.co.jp/change/article/ask-an-expert-fur