令和元年、2019年6月16日の深夜1時19分に5年間飼っていたウサギが亡くなりました。
生まれて初めて自宅で飼ったペットで、思い入れの深い大切で大切で大好きな子でした。
自分の気持ちに整理をつけるため、そして同じような状況に陥った方に「自分だけじゃないんだ」ということを知ってもらうために、大切なペットを亡くした今の気持ちをここに記しておきます。
愛ウサギの名前は「ちょこもち」
私が飼っていたのは「ちょこもち」という名前の、メスのネザーランドドワーフです。
チョコレートオターというカラーで、基本は焦げ茶色でお腹やあごの下、目の周りは白いかわいらしいカラーリングが特徴の子でした。
オターカラー特有の、首の後ろだけ色が違うオレンジっぽい色の毛も大好きでした。
愛ウサギを襲った胸腺種という病気とその最期
ちょこもちは胸腺種という病気を発症し、6/4から闘病生活を送っていました。
それまで本当になんてことなくて、前日も普通にご飯を食べて大好きな部屋んぽをしていたのに4日に急変して慌てて病院に連れて行ってからは坂を転げ落ちるように悪化して、あっという間に逝ってしまいました。
最期を看取ることはできましたが、恐らくあの子の直接の原因は呼吸困難でした。
それまでずっと酸素ハウスに入っていたのにも関わらず、亡くなる瞬間に見えた口の中が真っ青で、全く酸素が足りてなかったことが見て取れました。
息をしたい気持ちは伝わってくるのに体がついてこない、大きな口を開けてそれでも頑張りたくて、文字通り死ぬほど苦しんでいたあの子の姿が目に焼き付いて離れません。
最後の最後にあの子を苦しませてしまったことが今でも苦しいです。
なかなか壮絶な闘病生活を経て最後を看取り、ボロ泣きしながら火葬して…そして私は現在ペットロスの渦中にあります。
現在私に現れている、ペットロスと思われる症状
- 突然涙が出る
- 急にどうして○○できなかったんだろうという後悔の念に襲われる
- 眠れない
- あまりお腹が減らない
少し落ち着いてはきたものの、日によってこんな症状が出たり治まったりをくり返しています。
それでもペットを飼っている人や今まで亡くしてきた経験がある人たちに話を聞いてもらったおかげで、落ちるところまで落ちないでいられているように思います。
ペットロスの時は一人で抱え込まないでください。
大切な家族を亡くしたんです、一人で抱えきれなくて当然です。
誰にも言えないという方がいたら私で良かったら相談してください、抱え込まないで。
ウサギの胸腺種について
胸腺種(きょうせんしゅ)とは胸の所にある胸腺という器官に腫瘍ができて、肺や器官などの臓器を圧迫してしまう病気です。
胸腺は免疫に関する器官で、人間や他の動物にも存在しています。
人間の場合は加齢とともに小さくなっていくそうですが、ウサギの場合は特に小さくならないためある程度高齢になると腫瘍化しやすいそうです。
そして人間や他の動物(犬猫)にも胸腺種は存在しますが、外科的に取り除くことができるそうです。
しかしウサギの場合はリスクが高すぎて外科的に取り除くことができず、基本的にはステロイドを用いた治療しかできない…というのが現状とのことでした。
ウサギは元々胸腔がせまいことから、胸腺種が大きくなると呼吸困難を起こしてしまいます。
胸腺種で胸腔内が圧迫されると静脈の血圧が上がってしまい、瞬膜が見られるようになったり眼球の突出が見られるようになるのがウサギの胸腺種特有の症状だそうです。
症状に早く気づけなかったことに対する後悔
正直な話、数か月前からそれまで出なかった瞬膜が出ることが気になっていました。
そしてときおり、いつもより眼球が出ているような気がしていました。
ですが4月にくしゃみが気になって健康診断に行って特に問題がなかったこと、そしてもうそろそろシニアに差し掛かる年齢であることから「そんなものなんだろう」と思い深刻に考えていませんでした。
今考えれば、健康診断に行った時に瞬膜の話をしていたらもしかしたら助かっていたかもしれません。
胸腺種は治らない病気だそうなので、治ったとはいえずとももう少し長く生きられたかもしれません。
ちょこもちは闘病生活に入ってから、たったの12日間でに虹の橋を渡って月に帰ってしまいました。
最期の日は目に力が無かったけれど、それまではどんなに辛そうでも今までと変わらない力強い目をしていました。
あの子は多分、もっと生きたかったんだろうと思います。
予兆にうっすら気づいていたのに何もしてあげられなかった悔しさと、生きたかったあの子を助けてあげられなかった悔しさが渦巻いて、あの子がいなくなって1週間たっても悔しさと自分に対する怒りがおさまりません。
いつまでも泣いていたらあの子が心配してしまう、そう思っても一度出てしまうとなかなか涙が止まりません。
あの時ああしていれば…という思いは今も、これからもきっと消えないんだろうと思います。
ウサギの胸腺種について多くの人に知って欲しい
私は元々動物の勉強をしていたこと、現場で働いていたことから動物に関する知識はそれなりに持っているつもりです。
しかし獣医師ではないため、動物の病気についてはメジャーなものしか知りません。
ウサギについても不正咬合やスナッフル、斜頸、ソアホック、うっ滞(毛球症)、高齢メスうさぎの子宮器疾患などはしっかりと把握しそれらの病気にならないような環境づくりを心がけていました。
ケージやトイレは常に衛生的にして、ペレットは控えめでチモシーを主食にしていました。
毎日できていない部分はありましたが、なるべく外に出して運動させたり遊んだりしていました。
新鮮な野菜や果物を少しあげて、色々なものを食べられるようにしていました。
1歳半くらいで避妊手術をして、生殖器疾患にならないようにしていました。
ですが、胸腺種という病気があることを知りませんでした。
胸腺種を知っていたら、もっと早く投薬できていたらもしかしたらあの子はあと1年でも2年でも生きることができたかもしれません。
自分の知識が無かったことが悔しすぎて、あの子に申し訳なくて、辛いです。
ですが、ただ悔しがっていても何の生産性もありません。
幸いと言えば良いのか、何の因果といえば良いのかわかりませんが私はライターであり、ブロガーであり、情報を発信することができる手段を持った人間です。
あの子に対するせめてもの償いの一つとして、1匹でも助かる命を増やすために、ウサギの胸腺種について1人でも多くの方に知ってもらうために動き出そうと思っています。
もしこの記事を読んで下さっている方でウサギを飼っている方がいらっしゃったら、まわりにウサギを飼っている方がいらっしゃったなら「胸腺種」という病気のことを頭の片隅にでも置いておいてください。
胸腺種は早めに手を打てば助かる、あるいは延命できる病気であると思います。
今後ウサギを治療できる獣医さんが増えて、胸腺種に対してより積極的な治療ができる技術が確立することを願っています。
獣医師でない私にはできることはほとんどありません。
それでも誰かに知ってもらうことで、ちょこもちのように辛くて苦しい思いをしてしまうウサギさんが1匹でも減るように心の底から願っています。
ペットロスをこじらせた、その後1か月のお話しもよろしければ…
初めまして。
いつもこっそり読ませていただいています。
ちょこもちちゃん、残念なことでしたね。
お気持ち、お察しします。
私もうさぎ飼いです。
胸線腫という病気は初めて知りました。
うちのうさぎも3才半なので、そろそろからだの異変に気がつけるように、そして病気の知識を増やしていこうと思いました。
今は悲しみの底にいるかと思います。
あまり無理をなさらず、ご自分のペースで歩いてくださいね。
銀さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
いつも読んで頂いているとのことでとても嬉しいです、最近更新が滞っていて申し訳ないです…!
ちょこもちの件、2週間程たった今でもふとした拍子に涙が止まりません。
さみしさとあの時ああしていれば、もっと早く気づいていれば…という後悔の念はしばらく、もしかしたら一生消えないかもしれません。
銀さんのうさぎさんも、年齢に伴ってこれから少しずつ変化が訪れることと思います。
ぜひしっかり観察し、知識を増やし、そして信頼できる病院で定期健診をしてあげてください。
銀さんとうさぎさんが1秒でも1日でも、1年でも長く一緒に過ごせることを心から祈っています。
優しい言葉が胸にしみます、ありがとうございます。
胸腺種という病気があることを1人でも多くの方に知って頂けたら、あの子も報われると思います。
ちょこもちと過ごした日々を大切にしながら、ゆっくりと前に進んでいこうと思います。