仕事について

動物園飼育員のお仕事と那須サファリパークのニュースについて

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三日月(@trickwolves)です。

少し前のお話ですが同じ飼育員として気が気じゃなかったというか、微妙な気持ちになったニュースがありました。

昨年12月頃にだいぶセンセーショナルな動画が出回りました、那須サファリパークで女性職員がラマ(リャマ)に虐待を加えていたというニュースです。

これですね。

動物好きだけど動物にイライラすることもあります

私は動物が好きで彼らと共に生活をしつつ彼らの魅力や生態、野生下で置かれた状況などを多くの人に伝えたいという思いで飼育員を志望し、現在飼育員として働いています。

よく勘違いされますが飼育員はエサをやって掃除するだけが仕事ではありません。

動物飼育員のお仕事について

仕事1:動物のエサやり・エサの管理

飼育員の仕事と言われて真っ先に思い浮かぶであろうものの1つ、エサやり。簡単なようで意外と奥が深い仕事です。

基本的にどの動物にどのエサをどれくらい与えるかは決まっているのですが、エサに対する食いつきや食べ残しの量、動物の体型やフンの変化を見ながら少しずつ量を調整しています。

私は出会ったことがありませんが、非常に繊細でエサの切り方が少し変わっただけで全くエサを食べなくなってしまうような個体もいるそうですよ。

また私がいる園ではエサの注文や運搬・管理も飼育員の仕事なので定期的に数十キロの野菜や牧草を運搬したり移動させたりしています。

仕事2:動物の部屋の掃除

飼育員の仕事と言われて真っ先に思い浮かぶであろうものの1つ、掃除。これがなかなかに重労働です、体が大きい動物は糞を回収するだけで大変です。

一番しんどいのは恐らく象かと思いますが、馬でも結構大変です。こちらのブログさんによると馬1頭あたり、1日の馬糞の量は14〜23キロとのこと。仮に1頭あたり15キロと仮定しても複数頭馬がいればその分糞が出ますのでそれを毎日片付けています。重いです。

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仕事3:動物の体調管理

動物は基本的に体調不良を隠す性質があります。野生下では体調不良を隠さねば真っ先に狙われて命を落としてしまうのからです。

動物園ではそんな動物たちの不調をいち早く察知し対処しなければなりません。そうでなければ彼らの命を守ることはできません。それなので仕事中は常に気を張り、動物たちの行動や仕草に注意を払っています。

4以降は直接動物に関わらない仕事ですが、正直こちらの方が多いくらいかもしれません。

仕事4:接客

園路を歩いてるだけでよく話しかけられるので開園日はほぼ毎日接客をします。動物についてあらゆることを聞かれるので自主的に動物について(動物そのものに関すること、園にいる動物の個体に関することなどなど)勉強しています。

仕事5:イベント企画

年何回かあるイベントの企画もします。動物園はレクリエーション施設であるのと同時に学びの場であるため、動物に正しく関心を持ってもらうためにはどんな企画が良いのか一生懸命考えて実施しています。

仕事6:DIY(?)

壊れたもの(道具、獣舎など)は都度工具を持ち出して来て直す、動物のシェルターやエサ置き場など必要と思われるものは基本自力で作ります。

シェルターはこういったものです。何かとすぐ齧って壊されてしまうのでデグーやモルモット、ウサギ用に量産します。

仕事7:園内管理

園路の掃除や維持も仕事の1つです。空き時間を作ってはほうきをかけたりごみを拾ったり、看板を作ったりつけたりしています。

他にも園としてのイベント手伝いとか餌運びとか色々あるけど…とりあえず飼育員の仕事はこんな感じです。言ってしまえば何でも屋さんのような職業です。正直毎日糞や汚れにまみれる臭い汚いきつい危険な仕事です。

そんなこんなで飼育員はやることがたくさんある忙しい上に3Kなお仕事です。

だけど私はやっぱり動物が好きで、この仕事が楽しくてとても好きです。それでも、動物にイラつくことはあります。

動物の言葉がわかるならいいんだけど

関わりが深まっていけばなんとなく彼らの意図することが伝わってくるものですが、大前提として私たちと動物たちはお互い言葉が通じません。なのでこちらが思うようなアクションを取ってくれないことも当然多々あります。

基本はそりゃそうだよね〜という感じで彼らに可能な限り合わせて動きますが、あんまりにも上手がくいかなかったり時間が押したりするとどうしてもイライラしてしまうことはあります。噛まれたり引っかかれたり踏まれたりしてこんにゃろ~っと思うこともあります。そういう時もあります、人間だもの。

だからと言って動物にえらい勢いでホウキをぶん投げようとは思いませんが、私的にはあの飼育員さんをそこまでイラつかせたものがなんだったのか気になります。

1つ考えられるとすればリャマやらアルパカやらのラクダ科動物は自衛のために唾を吐くことがあるのですが、これがとてつもなく臭いのです。彼らは牛と同じく反芻をする動物なのですが反芻中の未消化物をすごい勢いでぶっかけられるあの不愉快さといったらもう…一生懸命お世話をしていて唾を吐かれるとだいぶイラッとするのでそれも一因だったのかなぁ…なんて思ったりして。

これですね、本当にくっさい上にそうそう臭いがとれなくてテンションが下がります…。

おわりに

福祉施設やら幼稚園やらという人間対人間の状況でも虐待が起こるんだもの、対動物だと何かの拍子に虐待に走っちゃう人もいるんだろうな…と思います。改めて気を引きしねばと思いました。

2018/11/25 加筆修正

ABOUT ME
三日月
静岡県在住のフリーライター。サプリメントや動物、オタク業界に強いアラサー♀。お仕事の依頼や問い合わせはお問い合わせフォームからお願いします。

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