三日月(@trickwolves)です。
野生動物や動物園が好きな人の中には「これ以上絶滅する動物を増やしたくない」と思っている人も少なくないのではないかと思います。
私もそう思っている人間の1人ですが、動物関係の問題は考えれば考えるほど難しいものです。
なのでとりとめもなく、最近思うことを書いておこうと思います。
1年後、2年後には考えが変わるかもしれませんが今の自分の考えをメモしておきます。
動物が減る原因はほとんど人間にある
野生動物が減る原因には9割9分9厘人間が関わっています。
大体が環境破壊による生息地の減少か、狩猟による個体数の減少といっても良いのではないでしょうか。
リョコウバトやクァッガは肉や羽、皮を利用するために大量に乱獲されあっという間に滅びました。
人を恐れなかったステラーダイカイギュウやオオウミガラスはあっという間に食い尽くされて滅びました。
記録が残っているだけでも、17世紀あたりから哺乳類や鳥類が大量に絶滅に追いやられています。
小さな虫や植物、魚に関しては人知れずひっそりと滅びたものも多いと思います。
今もサイの仲間やゾウの仲間が乱獲と環境破壊によって滅びようとしています。
原因は象牙や角を狙った密猟と生息地の破壊です。
密猟が原因で数を減らしている動物は少なくありません。
トラやヒョウの仲間は常に毛皮を狙う密猟者に付きまとわれています。
動物を減らさないためにはどうしたら良いのだろうか
密猟が原因で動物の数が減っている。
では密猟者から動物を守るにはどうしたら良いだろうかと考えます。
過激な言い方をすれば、動物を守るために密猟者を吊るし上げてしまえばいいのかもしれません。
現代は何かと守られている動物が多く、密猟は明確に犯罪扱いされることも少なくありません。
希少な動物を密猟したことが明るみに出たら罰金や懲役、最悪の場合死刑になることだってあるでしょう。
それでも密猟をする人がいる。
危険を冒してまで密猟をするひとがいる。
そういう人は貧困にあえいでいる人だったりするわけです。
何だかんだいいつつも、日本は恵まれた国だと思う
どこもかしこもコンクリートできっちり舗装されている。
余程のことがない限り飢えて死ぬことがない。
ほぼ全ての人がスマホを持っている。
法律がきちんと整備されていて法の下に(大体の場合で)命が保証されている。
ある日からそんな環境、そんな日本で生きる私たちが密猟者に対してとやかくいうのはお門違いなのかもしれないなぁなんて思うようになりました。
日本で暮らしながら、「希少な動物を殺すな」と言うのは簡単です。
ですが
道を歩いていたら急にトラが出てきて家族が殺されたら
収穫間際の畑がゾウの群れに踏み潰されたら
手塩にかけて育てた家畜がオオカミに食われたら
そんなことが前提にあって、明日食べるものにも困るくらいお金がなくてどうしようもない状況だったら?
そしてトラやゾウを1頭殺せば家族が1年食べていくだけのお金が得られるなら…?
そんな状況になっても「自分は絶対に動物を手にかけない」と誓える人は少ないのではないでしょうか。
私もそんな極限の状態になったら、身の危険を顧みず動物達を殺すかもしれません。
そんな状況になっても動物を守れって言える人はどれくらいいるのかな。
実際その立場になったことがないので、想像することしかできません。
だけどやっぱり人間を優先してしまうのではないかと思う。
そしてそれを悪いことだとは思えません。
私はまだ若かったころ、それこそ高校生や大学生の時は野生動物を殺す人間をただだだ憎んで恨んでいました。
美しく強い動物たちを殺す人間が嫌いで、人間である自分も大嫌いでした。
「絶滅動物誌」を読んで、人間の残酷さや冷酷さに憎悪にも似た感情を抱きました。
だけど今改めて考えれば、自分はだだ安全なところから文句を言っているだけでした。
動物を守るためには何ができるのだろうか
動物を守りたい、そう思うことや言うことは非常に簡単です。
だけど実際何をしたらいいか、と考えると本当に難しいですね。
サイの角には薬効があると信じられていて、また武器の柄としても珍重されています。
ゾウの牙(象牙)はハンコや装飾品に用いられ、古くから高級品とされています。
現代の科学では「サイの角にはは薬効がない」ことが証明されています。
今の人類にはゾウの牙を使わなくてもほぼ同じものを作るだけの技術はあるはずです。
これらは動物について勉強した人や動物園好きの方には常識でしょう。
しかし野生動物に関わってこなかった方にとっては初耳かもしれません。
なので私はこういったことを知っている人間として、1人でも多くの人にこういう世界もあるんだよということを知ってもらいたいと思っています。
日本で生活していればサイのツノを買うような機会はないでしょう。
それでも、ツノのためだけに殺される命があることを知ってほしい。
象牙製品を買わなければ奪われない命があるかもしれない。
そんなことも知ってもらえたら嬉しいなと思います。
私は直接現地に行って、密猟者と戦うレンジャーになる勇気がないヘタレです。
日本に産まれた、安全な場所から行動することしかできない臆病者です。
だけど、やれることはあるはず。
インターネットの端っこのさらに端っこから、知っていることを少しずつ流し込んでいこうと思います。